こんにちは、NIコンサルティングの草薙です。
仕事の関係上、多くの会社に出入りをしているのですが、たまに「営業成績」を棒グラフにして貼りだしている企業があります。そこで働く社員の方に「プレッシャーですね?」と聞いてみると、「あんな風に貼り出されると、外部の会社の人にも見られるし、成績が良くないと恥ずかしいですよ」と言っていました。
この「営業成績」を貼りだすことは良いことなのでしょうか?
社内の営業マン同士が切磋琢磨することで会社の業績が伸びたとしたら効果があります。しかし、負け癖のついている営業マンにとっては、あまり意味がありません。下位にいることが当然のように感じ、逆にやる気を失ってしまうこともあります。「営業成績」を貼りだすことは、良い面もあれば、悪い面もあるということです。だから、社内に「営業成績」を貼りだしている企業が少ないのかもしれません。
では「営業成績」を貼り出さない会社の方が良いのでしょうか?
こちらの会社の方が『営業力』が弱い気がします。競争という荒波にもまれていない分「売ってやる!」という気概を感じない会社が多いです。「売上目標を達成できたら嬉しいけど、達成できなくてもまぁいいか」と思っている傾向があります。
スポーツも同じです。強いチームがなぜ強いのかと言うと、外のチームに勝つ前に、同じチームのメンバーに勝って、レギュラーを奪う必要があるからです。チーム内でレギュラー争いもない場合、外の強いチームと戦っても勝てない可能性が高いです。つまり、会社内で熾烈な競争がない場合、外の競合他社と戦っても負けてしまうのです。そう考えると、会社内の営業メンバーで競争をすることは悪いこととは言えないですね。
でも、戦いについていけない人も出てくる可能性はあるため、どうしたら良いでしょうか?
「営業成績」という『結果数字』の棒グラフを貼りだすだけではなく、『プロセス数字』の棒グラフも合わせて貼りだせば良いのです。例えば、『訪問件数』『キーマン面談件数』『案件創出件数』などです。例え『結果数字』が良くなくてバツの悪い思いをしている人でも『プロセス数字』なら頑張れば数字がついてきます。頑張って訪問をすれば『訪問件数』は伸びます。『結果数字』『プロセス数字』の両方を貼りだせば良いですね。
ブログを書きながら思い出したのですが、私の高校では体育の成績を全校生徒が通る廊下に貼りだしていました。ある時、サッカーの授業で『ゴール得点』ランキングが貼りだされていました。そして、そのランキング表を見た女子から「あれ、なぎくん(草薙なので)載ってないやん。どうしたん?」と言われてしまいました。隣にいた当時の彼女も苦笑いをしていました。学園祭で「スポーツできる男子」として1位に選ばれていたため、期待値は高かったようです。
「これはまずいな」と考えていた矢先、ランキング表の項目がひとつ追加されました。それは『シュート回数』ランキングです。最初見た時は「こんなん、適当にシュート打ちまくったらいいだけやん!」と思いました。でも、とりあえずランキング上位に食い込めるならと思い、ボールを持ったらとにかくシュートを打ちました。すると『シュート回数』ランキングの上位に入ることができ、「おっ載ってるやん!さすがやね。」と女子に言われました。
とにかくランキング表に載れば良いのかと思い、シュートをたくさん打っていたら、だんだん得点できるようになりました。もちろん、外す回数も半端ないのですが、得点数も伸び、気づけば『シュート回数』も『ゴール得点』ランキングも1位になっていました。サッカー部でもないのに、ランキングに載っているという優越感はなかなか良いものでした。「『シュート回数』ランキングを貼りだすなんて、おかしな先生やな」と当時は思っていましたが、今ではそのランキングを取り入れた主旨が理解できます。
競争があるから、悔しい思いもするけど、嬉しいこともあります。結果、営業力がつくことで仕事が楽しくなるのであれば、社内の競争も良いことですね。弊社のシステムでは『キャンペーンダービー』という面白おかしな機能で、社内メンバーと戦うことができます。あなたの会社でも取り入れてみると、意外にも営業メンバーが奮起して会社の業績が上がるかもしれません。
是非『結果数字』だけではなく『プロセス数字』でも戦ってください。